MacがBlue Rayディスクを本格的にサポートしない理由の一考。

次世代ディスクの下克上も収まってきて、「時代はもうBlueRay!」てなキャンペーンが展開されて久しい。けれどうちにはまだない。

新技術の提案や導入には目ざといはずのAppleがBlueRayをサポートしないのはなんでだろう、と考えていたが、昨今の技術的なストリームを見ると、Appleのデータに対する見方、倫理的な考え方が関係している気がする。

ここ最近のリリースやトピックを見ていると、Appleとしては、ネットワーク上で扱いやすいデータ形式、というのを基本の概念に持っていることが分かる。

Mac OS X 10.6となり、OSだけで3GBまでシェイプアップ。PowerPCIntel CPUの意向バージョンとされていた10.4, 10.5は10GB近い。
おかげでMacbook AirはインストールメディアはUSB。今後CDメディアはフロッピーと同じ運命を辿るであろうことが容易に予測される。

また、10.7では標準搭載となるApp Storeで、ソフトのインストールまでもネットで完結できる体制も整えた。
音楽はおろか映画すら、iTunes Storeにてすべて行なえる。

iPhone, iPadにても閲覧できるようなデータサポートとしてるけど、データ移行はUSBまたはワイヤレスネットワーク経由。CDメディアの出てくる出番などさらさらない。


Mac OS Xが登場したとき、Macを「デジタル・メディア・ハブ」とする構想を打ち出していた。そのアイデアをふまえて考えるとき、デバイス間で移行のしやすいデータ、またはメディア形式として考えると、おのずとネットワーク間で扱いやすい軽いデータを、ということになる。

その観点から見るとBlueRayなどはまるでどんどんと肥えていくデータのためのもの。データがそこからフォワードされていくことなど関係ない。そしてもっと保存容量の大きいメディアができました、みたいな発展が容易に想像がつく。


Appleはそうした未来は描いていなくて、ストレスフリーなデジタルライフのために、という視点でデータを軽く扱いやすくととらえているので、BlueRayサポートは優先順位が低いんじゃないか、と予想できる。


BlueRayのクオリティの高さはいわずもがなだ。
HDとなったとはいえ、まだダウンロードタイプのものには及びにくい。
これを見てると、音域の点で劣るiTunesAAC形式の音楽データと、MP3形式、ソニーのデータタイプのあたりの論争を思い出す。
結局、質はある程度満たし、ユーザーから扱いやすい環境を持ったiTunesがすう勢となった。


なのでMacのBlueRay、オプションでつけられますよーみたいなくらいのスタンスになりそうな気配と予測しています。